砂浜消失で海開き中止 「茨城のゴールドコースト」の今

2026.07.18

茨城県鉾田市の大竹海岸鉾田海水浴場が、砂浜の消失を理由に今夏の海開きを断念しました。かつて「茨城のゴールドコースト」と呼ばれた人気の海水浴場が、自然現象の前に営業を中止せざるを得ない状況に直面しています。

砂浜が急速に減少

大竹海岸鉾田海水浴場の概要

  • 住所:茨城県鉾田市大竹

  • アクセス:鉾田駅からタクシー約15分、新鉾田駅からタクシー約10分

遮るものがなく直線に広がる砂浜が特徴の同海水浴場は、かつて年間2万人以上の海水浴客が訪れる人気スポットでした。しかし近年、砂浜の面積が大幅に減少し、テントが立てられるスペースがほぼなくなっています。

以前は見えていなかった護岸ブロックが剥き出しになり、ブロックに穴が開くなど、施設の破損も進行。鉾田市は市民や来場者の安全性を最優先に考慮し、海開きを断念する決定に至りました。

河川からの土砂供給が激減

砂浜が消失する背景には、河川からの土砂供給量の減少があります。同海水浴場がある鹿島灘は、那珂川と利根川から流れ出た土砂が波に乗って運ばれることで、砂浜が保たれてきました。しかし、河川流域の都市化によって土砂の供給量が大幅に減ったとのことです。

上流にダムが建設されたり、かつての農地がアスファルトに変わったりすることで、川に流れ込む土砂が減少。河川の護岸がコンクリート化されるなど、複数の要因が重なって海への土砂供給が激減しています。

高額な砂浜復旧工事の課題

2年前にも砂浜侵食により海開きが中止された同海水浴場。その翌年、砂を海岸に運ぶ工事が実施され、一度は海水浴場がオープンしました。しかし、投入した砂が波に流され、再び砂浜が侵食されてしまいました。

この工事には約4000万円のコストがかかったといいます。毎年砂を投入し続けることは、長期的に見て費用対効果が薄いという課題も指摘されています。

地域経済への影響

海水浴場の閉鎖は周辺の飲食店にも打撃を与えています。海のすぐそばにあるレストランでは、この時期が1年の中でも特に客が増える時期。土日には約400人の来店があるといい、海開き中止により50~100人程度の客数減少が見込まれています。

地元では自然現象による課題の解決を望む声も上がっており、海開きの再開に向けた対策が模索されています。

全国で深刻化する砂浜消失

砂浜の消失は茨城県に限った問題ではありません。全国各地で海岸侵食が進み、海開きできない海水浴場が増えています。秋田県潟上市の海水浴場でも、砂浜の浸食が年々進み、砂のほとんどが波に覆いつくされている状況が続いています。

砂浜消失の全国規模での深刻性

東北大学の研究によると、2100年には日本に存在する砂浜の6割以上が消える恐れがあるとの推計もあります。失われた砂浜を元に戻す方法の開発が、今後の課題となっています。

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